男性更年期障害の治療技法

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男性更年期障害

男性更年期障害の薬物による治療技法

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男性更年期の治療は、精神科、泌尿器科、診療内科、心理カウンセラーで受けられますが、いずれの科でも心因性が大きな原因となっている事に注目しています。


しかし、心因性に限らず、身体に原因がある事もあり、その場合には薬物療法を中心とした治療が必要になってきます。



◆ 男性ホルモン補充療法


男性更年期では、加齢やストレスによって男性ホルモンが低下して行きます。この低下したホルモンを補おうとする考え方が、男性ホルモン補充療法です。


男性ホルモンのレベルは個人差があり、どこまで下がったら補充治療を実施すべきかは、個人によって違ってきます。


ガイドラインでは、フリーテストステロンのレベルが8.5pg/mlを男性ホルモン低下症と診断し、症状が重い場合は、11.8pg/ml未満の人は男性ホルモン補充療法の適応とする事を推奨しています。


この様なホルモン低下を確認すると、注射やパッチでホルモンを補充します。

この療法には幾つかの適応条件があります。


テストステロンの測定は午前中に採血し、可能であれば2回測定します。


テストステロン量が20mg/ml未満、フリーテストステロン量では8.5pg/ml、症状が酷い場合は11.8pg/ml未満を適応であると推奨しています。


この療法を行う時に、注意しなければならないことがあります。


・血中の総テストステロンとフリーテストステロンの低下と明らかな症状がある事。つまり、男性更年期と明確に診断された人に適応すること。

・後述する禁忌症状を有していないこと。

・41歳以上は、前立腺がんの無いことをチェック。

・前立腺特異抗原が4.0mg/ml異常のがん疑、及び前立腺がん、乳がんには使用しない。

・赤血球増多症と睡眠時無呼吸症候群の人には、副作用が出る場合があります。いびきや肥満の有無には注意を要します。



● 筋肉注射


筋肉注射

テストステロン薬剤を筋肉注射します。薬の用量と間隔は個人によって違ってきます。状態と自覚症状と照らし合わせながら、用量と間隔が決定されます。

この場合、注意しなければならない事は、使用出来ない病気があることです。


前立腺がん、前立腺がんの疑いが強い、多血症、肝機能障害、睡眠時無呼吸症候群、脂質代謝異常の病気を持っている人は使用出来ません。


前立腺がんの診断には簡単な方法があります。腫瘍マーカーの測定です。採血するだけで結果が解ります。


前立腺がんは早期に発見出来れば充分にコントロールできる病気で、治療には手術の外、放射線療法、抗男性ホルモン療法などがあります。


男性ホルモン剤は貧血の治療薬にも使用することから、別にヘマトリック値という血液検査を行います。


多血症の人がホルモン補充療法を受けると、血液がどろどろになり、血管のあちこちで血栓が生じる血栓症になるおそれがあります。

この様な多血症のの人には、水分の補給が勧められます。


ホルモン補充の治療を受けると、多くの人では早期勃起が起こって、驚くと同時に大変喜ぶ人が多いです。



● パッチ療法


パッチ療法

男性ホルモンを肌に貼り付けるパッチ療法やゲル剤は、テストステロン値が正常範囲内に維持出来ることから良い治療法です。


日本で唯一使用できる軟膏剤としてグローミンがあります。この軟膏剤は、昭和40年から男性ホルモン補充サプリメントとして、医師の処方箋が無くても買える薬です。


しかし、医師の管理下での治療が必要です。

これらのホルモン補充療法をいつまで続けるか、というのが次の問題となります。


人によっては3〜4週間と間隔を延ばしても症状が出ない人もいます。したがって間隔は個人個人の症状と相談しながら決める事になります。治療期間については、はっきりとした結論は出ていません。


実際の治療現場では、症状が改善したら間隔を延ばしたり、投与量を減らしたり、中止したりします。

中には中止しても、不定愁訴が消失したまま、補充療法を終了できる例もあります。



◆ 男性更年期の治り方


男性更年期は簡単に言えば、自分の思いと身体的状態との間にズレが生じて来ることにあります。

「こんな筈ではなかった」と言う思いです。


テストステロンの量が、年齢を重ねる毎に低下して行くことは、当たり前の摂理なのですが、この事は本人には実感されていません。

たとえば、ちょとした尿漏れが重なると、いきなり前立腺肥大では?と思ったり、うつ症状が続くと、ストレスが続いているのかなあ?と思ったりします。


更年期という認識が無いと、前立腺肥大とかうつ病を結び付けてしまいます。

男性にも更年期があるという自覚は、女性のはっきりした自覚に比べればまだまだ低く、症状と本人の自覚の間にズレが生じてきます。


男性更年期に対するホルモン補充療法は、ある意味ではこのズレを補う手段でもあります。

精神的・肉体的症状と、自分自身のイメージや自覚との間のギャップを埋めてゆけば、その年齢の自分のテストステロンとつり合って行くようになれば、症状は軽くなって行くとも考えられます。



◆ 向神経薬の使い方


向神経薬は一般に、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬など、作用の違いによっていくつかのグループに分けられます。

医師はこうした精神機能に作用する薬を病名では無く症状に合わせて使います。


患者さんが「この薬はうつ病に使う薬だと本に書いてありましたが、私はうつ病なのでしょうか」と医師に質問するケースも見受けられますが、実際にうつ病の場合もあるし、別の病気に伴って生じたうつ状態の治療の為に使うこともあります。

ですので、使っている薬だけから病名を推測することは出来ません。


たとえば、重い片頭痛の場合、症状にはトリプタン製剤が処方されますが、片頭痛によって引き起こされてしまっている脳の感受性の高さを鎮めるために、うつ病で使う薬が処方される事もあります。


この場合は、脳が刺激に対して過剰に過敏に反応してしまう事を治療する目的でうつ病の薬が使われ、効を奏している様です。


具体的な薬品名はここでは割愛します。



◆ 勃起を助ける薬物


多分、中年以降の男性の最大関心事ではないかと思います。

男性ホルモン補充療法を受けると急速に早期勃起が起こります。


しかしこの療法では、前立腺がんをはじめとして、重篤な肝臓病、腎臓病、心臓病、循環器系の病気を抱えた人には適応できません。

ホルモン補充療法以外の薬物療法を使います。いくつかの療法を紹介します。



1.「ヨヒンビン」「ヨーコン」


これは英国と米国で販売されている薬です。この原量は、アフリカ原産のポジニスタリア・ヨヒンビという樹木の皮から作られています。

服用すると、脳に性的刺激剤として働き、性欲の増進などの改善が見られるようになります。


日本ではヨヒンビン製剤が医師の処方箋を必要としないで薬局にて購入可能です。

副作用は、動悸、冷汗、めまい、虚脱感、胃痛などがあり、使用にあたっては医師と相談の上服用が必要です。



2.タミノックス


これは窒素放出系の薬で、一酸化窒素の活動時間を引き延ばす薬剤の軟膏です。

30分前に塗ると、皮膚から吸収されて海綿体を膨張させ勃起を助けます。


残念ながら日本では試験段階の為、販売されていません。



3.ホスフォ・ディ・エステラーゼ5阻害薬


簡単に言うと、バイアグラの塩酸シルディナフィル、レビトラのバルディナフィル、シアリスのタダラフィルが相当します。

待望の薬として今日本でも活用されています。


この薬の作用を少しだけ詳しく説明します。

性的刺激を受けると脳から指令が出て一酸化窒素が血管や筋肉に働きかけて、サイクリック・グアノシン・1燐酸(S-GMP)という物質が分泌されます。


このS-GMPが脳からの収縮命令が来ようとも、血管の平滑筋を弛緩させます。そこに動脈血が流入して勃起が成立します。

用事が済むと、直ちにホスホ・ディ・エステラーゼ5と言う酵素がS-GMPを分解します。つまり勃起が終了するわけです。


ホスフォ・ディ・エステラーゼ5阻害薬の作用は、このホスホ・ディ・エステラーゼ5の働きをブロックしてS-GMPが分解されないように、つまり勃起を維持させようとする薬です。

ここで注目なのは、この薬には勃起促進効果が無いという点です。作用するのは勃起終了を阻害することです。


それでは、何故勃起を促進する様に見えるのか? この点については、実はよく解っていません。

この薬は、医師の処方を受け、投与可能な場合は自費で処方して貰えます。1錠千円から2千円程度です。


この経口薬の仕組みは、服用して性的刺激を受けることで、一酸化窒素の活動を助け、血管の緊張が和らいで弛緩して血液が流れ込み勃起するというものです。

1時間前に服用すると、90%の確率で最高3時間まで勃起が維持されます。シアリスの場合は薬効持続時間は36時間となります。


糖尿病の人でも50%程度、効果が見られます。

この薬の禁忌事項はそれぞれの解説ページを参考にして下さい。



◆ 漢方療法


漢方療法も見逃せない療法です。

男性更年期に関係する代表的な漢方処方を列記しますので、詳しくは一般的な漢方の本などを参照下さい。


・八味地黄丸(ハチミジオウガン)

・六味丸(ロクミガン)

・補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

・柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

・桂枝加竜骨牡蠣湯(サイシカリュウコツボレイトウ)

・釣藤散(チョウトサン)

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・高麗人参(コウライニンジン)

・田七人参(デンシチニンジン)




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